初めまして。お久しぶりです。桜が舞って、暑い夏が過ぎ、冬支度を整えて、梅が咲くのを待って。そのうちにゆっくりと書いていたお手紙をこうしてあなたに届けています。
お身体の具合はいかがでしょうか?体が快調に動いているのなら幸いです。心のほうも元気ですか?明るい気持ちで感謝が込み上げてくる日常生活なら気持ちいいですよね。
当たり前の日常の中で、ふと笑顔になることや、ふと喜びを感じるときってありますよね。それはとても些細なことかもしれないけれど、たしかに沸き起こるあたたかくて心地よい感覚です。自分が満たされる時に出てくる小さな小さな笑顔。

そんな小さな「幸せの種」に毎日、喜びの感覚という水をあげると、種は発芽し、ゆっくりと大きく育って、ついに大きな木となり幸せを周りに振りまくようになっていく。最初は満足できなくても少しずつ成長して、だんだん幸せを実感できるようになります。私はね、明るくて健康で元気でいられることが、生きているなかでとても重要なんじゃないかと考えているんですよ。だから、たくさんの方法を今もずっと追及し続けています。どうすれば、心も体も健康でいて、毎日、幸せの種に水をあげられるのだろうって。

2008年の夏に東京で整体院を始めました。体が元気に良く動くためにどんなことをすればいいのだろう。そういうことを考えて仕事をしていたら、人生の半分以上を費やしてました笑。同時に、心が元気でストレスをものともしない生き方をするにはどうすればいいのか、自分の生活と照らし合わせながら生きてきました。

まず最初にわかったのは、体が元気だと心も元気に動くということ。心が元気だと、うずうずして体を動かしたくなるということ。綺麗な景色を見たり、花や自然の香しい匂いだったり、耳から聞こえる優しい音だったり、思いだしただけでもヨダレが出てくる食べ物だったり。元気でいると、いろんなことに興味が出てくるのですね。

次にわかったのは、感情と思考は深く結びついているということ。懐かしい思い出も、楽しい嬉しい体験も、とても怖かった体験も。何かのきっかけで少し思い出すと、たちまちにその時の感情が溢れ出てきます。もしまたこの先に同じ体験をしたらどうしよう?と、再び恐怖を疑似体験することもできてしまいます。どんな感情も、きちんと処理しておかないと、ずっと自分の頭の中に残り続けてしまうんですね。

そして、感情なのか思考なのか、頭では理解できないような感覚も、人間には備わっているということもわかりました。深い幸せ、愛、感謝、魂が歓喜に震えるような感覚。深い意識の中での悟りのような感覚かもしれません。言葉にならない、こみ上げてくるような感覚も、きっと自分の中の大切な一部なのでしょう。


私が整体という仕事を始めたころは肉体労働による疲労や病気が多かったんです。インターネットも携帯電話もなかったから、手作業の仕事が多く、とにかく体力が必要でした。だから、あの頃の私は肉体の痛みや歪みを改善する方法をたくさん学び続けました。おかげで、驚くほど早くいろんな症状、状態を改善できるようになったのは言うまでもないし、今も整体の探求を続けています。首の痛みや腰痛、体のバランスを崩して体が不調になった人や、事故によって大きな怪我を負ってしまった人。仕事を続けてきて、いろんな症状をみてきたおかげで、いまでは話を聞くだけでどの部位がおかしくなっているのかが想像できるようになれました。

それから、インターネット時代になって、世界が急激に変化してきました。体を動かさないで頭だけを使って仕事をするようになってから、体よりも心や脳に抱えたストレスの方が大きくなってきた。だから、筋肉のコリをほぐしても効果が弱くなってしまった。そうなると、整体のやり方も変わってくる。筋肉は緩めるだけ、ほぐすのは心。整体の技術や知識はもちろん大事なのだけど、もうすでにそれだけでは健康にはなれない時代になってしまったんですね。時代に合わせて「心の整体」も必要になってきたんだと思います。

いかにして、思考の歪みに気づいて、感情のコントロールを身につけるか。体の不具合にもたくさんの原因があるように、心の不具合もたくさんある。人は千差万別、十人十色であるから。

体の整体と心の整体を組み合わせていくことでこそ、求められる健康に対応していけると考えるようになりました。こうして、私の「心って何?」を探す旅が始まります。


心という目に見えない世界の理解は、初めは何から手を付けていいか全然わからなかったんです。体の整体なら、解剖学や中国の経絡、運動学を学ぶことで知識を付け、想像と発想力、経験で施術に入れば、体の痛みは無くなって通常の動きができるようになります。

だから、体の整体を始めた時と同じように、まずは心に関するあらゆる知識を身につけることから始めました。心理学を学んでみたり、難しい文献に手を出したり。だけど、知れば知るほど、体の整体と違って1回で効果を出すのは相当に難しい、、ということがわかってきてしまった。それでも私は、絶対にすぐに効果が出る何かがあるはずだと信じて疑いませんでした。

そこである時から、宗教やスピリチュアル系の知識も取り入れてみることにしたんです。これは私にとって良かった。宗教の教えの中には健康に関する記述がたくさんあり、そこへの道がちゃんと記されていたから。最初に般若心経から学ぼうとしたけれど、なんだか難しく読み進められなかった笑。だから、仏陀の言葉を説明するような本から入った。ここで人としての生き方、考え方、正しい物事の見方を学べたんだ。今では般若心経の意味もよくわかる。

ついでに言うと、私は子供の頃から不思議な世界についての興味は人一倍強くて、小学生のときは世界の不思議な出来事やUFO、お化け、妖怪の類いから、仏陀やイエスキリスト等の本を読んで過ごしていました。実際に、霊的、神様的な体験もしてきましたしね。大人になっても変わらずに衰えないこの好奇心のおかげで、宗教についての怪しい気持ちや目に見えない世界に対しての抵抗は無かったんだと思います。

心の学びをより深く理解するために、瞑想も始めてみました。やはり、自分が経験しないと患者さんに説明するにも説得力が弱いからね。知識やロジックは頭で十分理解したから、今度は完全に感覚のみの世界。

瞑想を深めていくと、自分の肉体を感じなくなるような不思議な感覚に出会います。自分が広がって、自分という存在があらゆるものに融け合い、自分がいない感覚。仏教で言う「空」という状態なのかな。さらに深く身をゆだねていくと、引力のような力で引っ張られる感覚が訪れます。そうして意識がほとんど無くなりかけた時、美しく懐かしい光を見ることができます。おそらくこれが、私自身の心の正体でもあり、自分自身の中にある神様的なものなのだと直感しました。

こうした実体験をもとにして、感覚的な世界についての理解も深まり、今まで疑問だった内容も徐々に理解できるようになってきたんです。

「心」とは、私たちが生まれつき持っているものではなく、作り出されていくもの。思考、感情、知覚、記憶、夢、体感や感覚を材料にして、徐々に出来上がっていくものなのです。これらを何度も経験して心を育て上げることで「理性」が身につき、自分をコントロールするための「意識」を使いこなせるようになります。

「病は気から」と言いますが、気とは気持ちのこと。気持ちは自分の意識から作られます。病気が回復して元気になっていることを意識すれば、だんだんと健康になっていくのです。患者さんのストレスの原因に気づいて、受け入れて、許して、手放して、もう一度ポジティブな意識を作り直していく。そうやって心を回復させる整体に、ようやくたどり着くことができました。これが今の私です。


人のためにすることは、自分のためにもなる。人と人は繋がってますから。あなたの体が元気になること。心も元気になること。あなたが健康になることで幸せを感じます。あなたが健康になることで、まわりの人たちも元気になっていきます。

あなたと私も、もしかしたら前世で繋がっていたかもしれないしね笑。今度お会いできたら、あなたのお話をゆっくりと聞かせてください。あなたが笑顔になってくれるのを楽しみに待っています。
どうかお元気に過ごされることを心より祈っております。

親愛なるあなたへ。
加藤正広

遠隔ヒーリング

加藤正広気功整体院 遠隔ヒーリング中(〜22時12分)